集まれ!放送委員会!!

2004年度第51回NHK杯全国高等学校放送コンテスト神奈川大会
審査員講評
アナウンス
朗読
ラジオドキュメント
テレビドキュメント
創作ラジオドラマ
創作テレビドラマ

部門
アナウンス ・話題はバラエティに富んでいて、明るく高校生らしい原稿ではあったが、もっと原稿を練ることも必要。
・最初の10秒でどんなことが言いたいのかがわかるように耳で聞いてわかる内容を。
・聞いている人が構えずに聞けるものを。
・耳で聞いてわかる内容を。
・自分の言いやすい言葉を探してほしい。
・客観性のあるものを。弁論大会のようにならないように。
・取材不足を感じました。
・校内の生徒に何を伝えたいかを明確に。
・マイクの使い方に工夫を。
・発生・発音練習をしっかりやって下さい。
平板なアナウンスが多かったので、もっと大切なところをしっかりたててアナウンスしてほしい。
朗読 今年の朗読部門は、予想以上に大激戦でした。とは言うものの、上手な人は15人ほど、後の100数十人は、やはり練習不足が目立ちました。「原稿を作らなければならないアナウンスよりも、朗読は作品を選べばいいのだから」と言った考えで朗読部門を選んだ人たち、実はそんなところにアナウンスよりも深い落とし穴があるのですよ。
終わってみれば、思っていた通り10点以内に10位ぐらいまでが納まってしまうという僅差の中での戦いでした。全国大会へ出場する人と、そうでない人の差はほとんど誤差でしかないほど。それでも全国とそうでないのとでは、これから朗読をするということにおいてはやる気と言う点で雲泥の差があるようです。そこで、誤差の範囲とはいえ何が違っていたのかということになりますが、こうなると「印象」としかいえないのですね。読んでいる人が、確かにその「世界」を持っているか。その「作品世界」を「印象」付けられるか、ということではないでしょうか。同じ「積みワラ」をみて何枚もの色使いの作品を残した印象派のモネのように、同じ作品でも感じ方によって表現の仕方が違うのは当然です。むしろ、違わなければならないのです。そして、「印象」付けられるかどうか。そのためには「滑舌」「発声」「発音」などの基本は言うに及ばず、「マイクの使い方」「読む姿勢」などの応用、そして最後の「朗読的表現」を目指してがんばってください。
アナウンスは意外とごまかしが効きますが、朗読は「その人の人柄」が、モロに出てきます。人間的にも素敵な人が「素敵な朗読」をするのです。その読み手が椅子に座っただけで空気が変わる、そんな人になってください。練習しだいでなんとでもなりますから。
ラジオドキュメント ・しっかりした取材に裏打ちされた番組には聞いていて引き込まれました。各校共に、地域性、そして高校生の身近な題材にして追求していると思います。
・録音技術、アナウンスともに良くできていました。
・効果音は内容がしっかりしていてこそ生きてくる、ということを覚えておきましょう。
・校内だけで完成せず、マイクを持って外に出ましょう。足を使った取材が大切です。
・全体にパタンが似かよっています。たとえば、生徒へのインタビュー → 教師へのインタビュー → 地元(関連)のインタビュー ・・・。何か違ったものが期待されます。
テレビドキュメント

8分の番組で何を語るかのテーマの絞り込みについては、とことん議論をし、素材を集めて作った作品と、成り行きで作った作品の違いがありました。成り行きで作ったという表現は、失礼とは思いますが、言いたいことは、手短な素材で間に合わせてつなぎ合わせているというような意味と理解してください。

必要な素材だからという思いで、取材の仕方も工夫をして、時間と労力をかけて外に出かけて撮ってきている作品は、やはりドキュメント番組の基本ですからね。

多少映像が粗くても、現場に行っている映像は訴える力があります。しかし、取材映像で残念な点が1つあります。何を撮っているのかがロングだけではわかりにいくです。もっと近づいてフォーカスを絞った映像を挿入してほしいですね。そのことで、文字テロップがなくても、映像の表現が増すことと思います。

文字テロップが多いと、興ざめします(現代風なのでしょうが)。

番組のタイトルの掲げられたテーマと制作した高校生との関わりがもう一つはっきりしない作品が多かったです。取材やインタビューは良い作品ばかりです。でも、その後に、現役の高校生の生の声が出ていません。いったいどうしたことでしょう??

(テーマそのものは大変良いものがありましたから、それだけに残念)

何かの紹介番組を作るだけではなく、それに加えて高校生の声を前面に出してください。ドキュメント番組のおもしろさはこれではないでしょうか。

(総合文化祭の作品を作っているのではありませんから)

最後に、今回はVHSの技術的なことで問題が多く発生しました。

再生は一般的な家庭用のビデオデッキで行います。余裕を持って作り、再生についても複数の機械で試してみてください。

 

ラジオドラマ エントリー20作品のうち審査は18作品を行った。MDになって、編集が比較的容易になったのではないだろうか。とてもクリヤな録音になっていた。1作品だけ、音が割れていて残念だった。
内容的には、高校生らしい作品と言えないものが多くて、少しがっかりさせられてしまった。主人公の行動や思考が幼稚であることや、ストーリー展開が深みに欠けることなど、また、主題・テーマ自体についても類似したものが多かった。
 夢を語るのに、誰かを死なせる必要があるのだろうか。誰かが死んで遺志を継ぐのは本人の意思がなさ過ぎるのではないか。という感想である。
 仲間を理解し合う、兄弟を理解し合う、進路の悩み、異性に対しての恋の悩み、部活の悩み、テーマは今も昔も大きく変わらない、身近なものとなっていた。しかし、それをどのように克服解決して結末に至らせるかという展開では、ドラマになっていないものが多く、8分の時間のほとんどを無駄に使い6分位でやっと何が言いたいのかがわかるという構成になっている。
 音楽や効果音もかなり効果的に使われていたが、邪魔に感じるものがないわけでもなかった。本当に必要かどうか、イメージできるものはなくても良いと思う。また、レベルについても注意を払って欲しい。
 T高校の四字熟語をテーマに展開したものは、とても良く構成されていた。H高校の作品は8分の時間を十分に生かし切れてとても楽しい作品である。Y高校の作品は優れた録音技術でレベルの高さを伺わせる。楽しい作品の方に高い点数がついていた。
 また、台本の不備や著作権処理の不備で減点となった学校があったのは、やはり残念であった。作品と同じように細心の注意を払って、台本も著作権処理も行わなければいけない。とくに著作権フリーの音源を使用する場合は、その証拠となるものが添付されていないとそれを証明することが出来ないことに注意して欲しい。
 8分という時間は本格的なドラマを作るには短いのですが、それでも起承転結のあるドラマは出来るはずです。まずはしっかりした台本を作るところから始めて欲しい。
テレビドラマ ・テーマと内容が異なるものがある
・全般的内容が難解なものがありもっと分かりやすくする方が良いと思う。
・技術面では、カメラワーク・編集が向上している
・内容的に意外性がある作品が少なかった